2023年11月

Xを見ていると当たり前のように「新NISAは5年で1,800万円分使い切る!」という話題が出ています。

確かに早期に枠を使い切ればそれだけ有利になる可能性が高いのは間違いないのですが、20年、30年というスパンで運用結果を見ると意外と毎月の積立額ほどの差が出ないことがわかります。

年利5%として毎月の積立額で運用結果を比較すると以下のようになりました。

毎月30万円
  • 5年後   2,040万円
  • 20年後 4,312万円
  • 30年後 7,100万円

毎月25万円
  • 6年後   2094万円
  • 20年後 4,210万円
  • 30年後 6,935万円

毎月15万円
  • 10年後 2,329万円
  • 20年後 3,836万円
  • 30年後 6,318万円

毎月10万円
  • 15年後 2,672万円
  • 20年後 3,411万円
  • 30年後 5,557万円

毎月5万円
  • 30年後 4,161万円

1段目は1,800万円分の積立てが終了する年数となっています。
毎月30万円なら年間360万円、5年で1,800万円の積立てとなります。

当然、積立て中にもリターンが発生するため1,800万円の枠を埋めきった際には1,800万円+利回り分の金額になります。

積立額が毎月30万円と10万円では30年後に1,550万円ほどの差がありますが正直そこまで大きな差とは思いません。

比率で言うと30万円積立ての方が28%ほど多い程度です。

単純に3倍多く積立てているのですからもうちょっと差が出ても良さそうなもんですが、入金の総額が同じなら長期で見ると何倍もの差になるというわけではありませんでした。

さらに、10万円積立てで30年後には5,557万円ですがもう5年運用すると約7,100万円となるため若い人は十分に挽回することができます。

新NISAの枠である1,800万円を埋めるため、40代で毎月30万円×5年積立てるより20代から毎月5万円×30年積み立てる方が50代後半以降に使えるお金は大きくなるのです。

もちろん、余裕を持って入金できる人は良いのですが新NISAの枠を埋めるため5年もの間、何かを犠牲にしてまで入金生活をするほどのメリットは無いなと感じますね。

短期間の積立額にこだわるよりしっかり長期に渡って積立てを継続するということのほうが大切になるので入金額が少ない人も是非とも活用していったら良いのかなと思います。

2024年から始まる新NISAについていろんな話題が出ていますね。

そんな中で個人的に気になったのが「結局、iDeCoと新NISAでは長期的に見るとどちらがお得になるんだろう?」ということでした。

ということで単純に比較してみたいと思います。

まずはiDeCoを利用する場合です。

条件は
  • 勤続   40年
  • 運用期間 30年
  • 積立額  2万円
  • 年利回り 5%
  • 退職金  1,000万円
とし、さらに退職時に一括で受け取ると想定します。

この場合では
  • iDeCo運用額 1,637万円
  • 退職金      1,000万円
となり、退職所得控除を考慮した手取りは2,603万円となります。

同じ条件で新NISAを利用する場合は、積立額を減らして考えなくてはなりません。

iDeCoは全額所得控除の対象となるためです。

ここで、どのくらい節税になるかの計算ですが、まずは課税所得金額を算出します。

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(引用元 https://magazine.aruhi-corp.co.jp/0000-2873/)


課税所得金額がわかったら掛け金に税率をかけてもらうと節税額がわかります。こちらの表↓では所得税のみなのでさらに住民税(一律10%)も込みで計算します。

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(引用元 https://www.smbc-card.com/like_u/money/ideco.jsp)

非常にざっくりとですとこちらの表↓が参考になります。

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(引用元 https://fpsdn.net/column/2017/04/8345.html)


年収500万円の場合、20%の減税となるため積立額のみ1.6万円、その他の条件は同じと想定すると
  • 新NISA運用額 1,310万円
  • 退職金     1,000万円
となり、退職金は退職所得控除内なので非課税なので手取りは2,310万円になります。

年収700万円の場合は所得控除20%、住民税10%の合わせて30%となるため、新NISAの積立額は1.4万円となります。

その場合の想定額は
  • 新NISA運用額 1,146万円
となり、退職金と合わせても手取り2,146万円でiDeCoを利用した場合の2,603万円を遥かに下回ります。

所得税率5%の場合でも住民税10%と合わせると15%となるため積立額は1.7万円とすると、
  • 新NISA運用額 1,392万円
となり、退職金と合わせて手取り2,392万円でやはりiDeCoを利用した場合のほうが有利となりました。

比較的年収が低い方でも節税メリットが新NISAの全額非課税を上回るため、老後資金と割り切って運用するのであればiDeCoに軍配が上がりました。

iDeCoさん、60歳までの資金拘束があるとはいえめちゃくちゃ優秀なやつだったんですね。

一部界隈から謎の批判を浴びることが多いので本当に不遇な存在だなと思います。

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資産形成を行うにあたって"入金力"がめちゃくちゃ重要になってきます。

一部の相場の天才以外は市場平均に勝つことはできません。

短期的に市場を上回ることはできますが、運用期間が長くなればなるほど多くのファンドマネージャーや個人投資家は市場平均に負けてしまいます。

日本株市場を見ていてもアルゴの台頭によりデイトレーダーが壊滅したり、業績を予想して決算期に短期間だけポジションを取る「決算ギャンブル」で勝つことが非常に難しくなったりと個人投資家が自身の力量のみで爆発的に資産を増やすのは絶望的な状況になってきていると感じます。

さらに個人投資家の多くはサラリーマンや公務員といった仕事をしており、株式投資に割ける時間は限られています。

結婚して子供が生まれればその時間はさらに少なくなってしまいます。(自分もこのパターンで個別株からほぼ撤退しました)

そんな状況でも株式投資による資産形成を行おうとする場合、市場の縮小版を丸ごと買えるインデックスファンドが最適な選択肢となります。

米国や先進国、全世界などある程度大きな市場を選べば大きく外してしまうなんてことは起こりません。

相場歴20年の人も昨日証券口座を作りましたって人も同じリターンを得られるわけですがそうなると"入金力"で差をつけるしかありません。

でもどのくらい入金すれば良いのか今いち掴みにくい部分もあるのかなと思います。

例えば現在資産0の人が利回り5%で20年後に1億円達成したいと計画した場合、毎月25万円の積立てが必要となります。

結構大きな金額ですが22年後で良ければ毎月21万円でいけます。

21万円も大きな金額ですが25万円よりは現実味がありそうです。

積立額を4万円増やしても1億円までの短縮期間は2年にしかなりません。

もう3年頑張って25年後に1億円を目指せば毎月17万円でOKです。

積立額が32%、8万円も減ったのに期間は5年伸びただけです。

もちろん5年の差は大きいのですが毎月17万円だと20年後には約7,000万円になっているので一般的な資産形成としては十分な金額と言えるのかなと思います。

インデックス投資の大原則として「可能な限り早く多くの金額を投入する」というものがありますが、そうは言うものの積立投資は継続してなんぼの世界なので始めから気負いすぎないのが大切なのかなと思います。

20年後に5,000万円の場合はどうでしょうか。

同じく年5%のリターンが期待できるとすると毎月12万円の積立てで20年後に4,932万円になります。

ここから2万円減らして毎月10万円にすると23年後に5,000万円を超えます。

1億円のときと違って減らす金額に対して期間の伸びが大きくなりました。

さらに2万円減らして毎月8万円にすると26年後に5,000万円を超えます。

やはり、5,000万円という金額は超大金なので比較的短期間で到達しようとすると一般的な積立てよりも大きな金額が必要になります。

20年後に2,000万円だとかなり難易度は下がります。

毎月5万円の積立てを継続できると達成可能です。

しかしこれを4万円にすると23年後、3万円にすると27年後になります。

今30代の方でこれから資産形成を行おうとする場合は何とか頑張って毎月5万円を出せるようにできると良いのではないでしょうか。

毎月2万円まで下がると30年後でも1,660万円です。

これだと20代の方でも2,000万円までかなり厳しくなってしまいます。

ということで0から2,000万円を目指したければ少なくとも毎月3万円は積立てできる体制が必要であると考えて良いと思います。

逆に、積立期間20年、年リターン5%という条件であれば1億円達成まで毎月30万円の場合で18年、毎月25万円で20年と積立額が5万円違うのに2年しか短縮されません。

5,000万円までで見ると毎月30万円で11年、毎月25万円で12年となり1年しか差はありません。

毎月30万円が余裕な方はそれで良いですが25万円でもそこまで大きくは変わらないということですね。

多くの人にとって現実的なラインである運用期間を20年とすると毎月5万円〜25万円を積立てることができればそれなりにまとまった金額が期待できそうです。

また、運用期間が10年程度しか取れないと入金額をかなり大きくしてもあまり複利が効かないのでやはり20年は続けたいところですね。







11月のジムトレからベンチプレスプログラムを開始しました。

週2回、LIGHT DAYとHEAVY DAYで強弱をつけながらトレーニングを行い、MAX重量を更新していくという内容です。

前回の記事では8回×3セットでやれるところまでやると書きましたが早々に方針を変更しました。

これまで通りのやり方でも良かったのですが、何となくトレーニングプログラム的なものを作ってみたいという気持ちと毎回高重量で行うとそのうち怪我するだろうなという予感があったので負荷に強弱をつけることを目的としたプログラムを探していました。

筋トレも毎回同じような刺激だと体が慣れてしまって成長スピードが鈍化するらしいので怪我予防しつつ成長できれば万々歳ですね。

内容はこちらのブログを参考にさせてもらってます。

ただ、この表通りだと現在のMAX80kgでは1週目のHEAVY DAYでも64kg×6回×4セットとなってしまいます。

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これだと負荷が軽すぎるため初めから4週目の負荷である70×6×3でトレーニングし、これがクリアできたら4週目まできてなくてもどんどん重量を上げていく予定です。

11月も記録更新できるように頑張りたいですね。

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サラリーマンが出世したい理由の1位は「昇進による昇給」だと勝手に思っていますが、今は資産運用等を行うことによって昇給分程度なら比較的簡単に稼げてしまう時代です。

最近はどの企業でもワークライフバランスという言葉が聞こえてくるように、「社内で人の上に立ちたい!そのために粉骨砕身で働くぞ!」みたいな人は本当に少なくなったように思います。

今40代後半以降の世代が仕事第一で生きてきた結果、家庭をぶっ壊したり出世コースから外れた瞬間にご自身がぶっ壊れたりしているのを目の当たりにすると、若い人はワークライフバランス重視になるのは当然ですよね。

そんな状況で出世による数少ない報酬である年収アップも本業以外の部分で賄えてしまえるとなったら一体全体どんな人間が出世したがるというのでしょうか…


トマ・ピケティは21世紀の資本でr>gであると説きました。

rは資産からの収益率、gはGDP成長率、個人で見ると賃金の上昇ペースとなります。

歴史的に見るとrは概ねgを上回っています。

そして運用額が大きくなるほど如実にこの差が大きくなっていきます。

商社マンや医師のようなハイペースで昇給していく(イメージです)高給職を除くと賃金の上昇ペースなんて本当にたかが知れています。

私の場合は年収650〜700万円ほどですが、ここから頑張って昇進して、さらに年功序列で昇給しても年収ベースで100万円〜程度上がれば御の字って感じです。

そこに鬼のような残業を行い、手当も加味すれば確かに40代後半で年収1,000万円は超えてくるでしょう。

でもそこまで頑張って年収1,000万円って旨味が少なすぎるんですよね。

だって運用の期待リターンが年5%あるのならここから追加入金を全くせずとも年収+運用益が出世し、残業しまくっているパターンに匹敵するか超えてくる可能性すらあるのですから。

運用額が1,000万円を超えてくると運用によるリターンが大きくなってきます。

2,000万円を超えてくるとほとんどのサラリーマンの昇給ペースを運用によるリターンが大幅に上回ることが期待できます。

そうすると俄然出世に興味がなくなってくるわけですね。

もちろん、運用しながら出世して年収を増やすというのがお金の面だけで見れば最強かもしれませんが昇進すれば半ば強制的な休日出勤や残業、会社のイベント事への参加などが当然のように出てくるため家庭や自分の時間が確実に減少します。

果たしてその状況が幸せなのかと言うと、少なくとも自分はそうではないんじゃないかなと思うわけです。


個人個人で見ると運用による収益とサラリーマンとしての収入でそこそこ稼げるなら特に出世を目指さずワークライフバランス重視の生活にするというのは最適解に近いのかもしれませんが、企業全体や国全体で見ると非常にマイナスの部分が大きいように思います。

単純に、競争の分母が大きくなければ有能な経営者や管理職は現れないからです。

50人の中から選抜するのと100人の中から選抜するのとでは100人から選ぶほうが優秀な人材は集まりやすいわけです。

社内政治に奔走するのは本末転倒ですが企業としては有能な人にはどんどん仕事を頑張ってもらって出世を目指してもらわないと困るのに自主的に出世レースからドロップアウトしてしまう人が増えるのは社会の損失でしかありませんね。


果たしてサラリーマンの出世欲を大幅に削いでしまうインデックス投資の存在は本当に正しいのか疑問に思います。

個別株やFXをやらせて大損させ労働に専念させたほうが熱心に仕事に取り組み労働生産性も上がるのかもしれません。



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