自分のリスク許容度を大きく超えないようにするため定期的にポートフォリオのリバランスを行うことが推奨されています。

しかし、リバランスとは上がっている資産を売って下がっている資産を買うということなので資産形成期の人が上がっている株式を売ってしまうのはもったいなくもあります。

iDeCo口座ならスイッチングを行うことで非課税で売却可能ですが運用を始めたばかりの人では資産全体のリバランスに使えるほどiDeCoにお金を入れてない可能性は高いです。

特定口座で税金を払ってまでリバランスをするのももったいない話ですし…となったときに有効な手段がボーナス時にノーセルリバランスを行うことです。

ノーセルリバランスとはその名の通り売却ではなく買い増しによってリバランスを行います。

資産形成期の人は当たり前のように入金をしていると思うのであえて言うほどのことではありませんが、ボーナス時に行うと決めてしまうことで運用にかける作業を少し減らせるかもしれません。

運用資産が1,000万円で株式インデックス80%、現金20%という比率で保有している人がいたとします。

株式が20%上がっていた場合、資産は1,160万円となるため元の比率にするには株式を32万円分売却しなければなりません。

そこでボーナス時に例えば50万円入金した場合、資産1,210万円となるため8万円分だけ株式を購入し株式968万円、現金242万円で元の比率に戻すことができます。

大幅に株価が上がった(下がった)場合や資産がそれなりに増えてきた場合はボーナスでの入金では対応できなくなるかもしれませんが一考の余地はありそうです。

日常的にプロテインなどによりタンパク質を多量に摂取すると腎臓への負担が大きくなり慢性腎臓病などのリスクを高めます。

タンパク質が代謝されると最後は尿素となって腎臓によりろ過されてから排出されるのですが、タンパク質摂取量が多くなると当然それをろ過する腎臓への負担が増えます。

そうして腎臓を酷使し続けると最終的にはろ過機能の低下=腎臓病となってしまうのです。

日本では8人に1人が慢性腎臓病(CKD)の予備軍とされておりなかなかに無視できない存在となってきています。

1日に必要なタンパク質は1g/kgBW/日というのが一般的ですが、「トレーニングをしている人はこの2倍から3倍はタンパク質を摂取しましょう」などと言われています。

もっとも、「トレーニングをしている人は2g/kgBW/日ものタンパク質が必要」と言っているのはほとんどがプロテインメーカーやメーカーと提携しているアスリートや医師、アフィ等でプロテインを紹介しているサイトであり、彼らは多量のタンパク質を摂取しないとトレーニング効果が薄れるなどと不安にさせることを目的としています。

それだけの量のタンパク質を摂取するためには非常に大量の肉や魚などを食わなければいけないため金銭的、時間的なコストを考えるとどうしてもプロテインを使用することになりますからね。

「3g/kgBW/日以上のタンパク質を摂取しても腎臓への影響はない」という言説まで出しているプロテインメーカーまであるので安心してガブガブ飲んでいる人もいるかと思いますが、腎臓学会では軽度のCKDステージの方でも1.3g/kgBW/日を超えないというのを目安としています。

そもそもプロテインメーカーがタンパク質を多く摂取することのデメリットを語るわけがないんですけどね…

「いや、自分はCKDとか関係ないんで」という人もいるかと思いますがこの軽度とはeGFR>90の人も含まれているのです。

この数値だと健康診断ならA判定かB判定になると思いますがCKDのステージ1に分類されてしまうので多くの人はタンパク質の過剰摂取に注意したほうが良いのは間違いないでしょう。

最低限のタンパク質不足に対応するためプロテインを摂取するのは悪いことではありませんが、過渡のタンパク質信仰は危険かもと少し意識しておくのも良いのかもしれません。


アメリカの経済学者であるウィリアム・シャープはCAPM(資本資産価格モデル)の提唱者であり1990年にノーベル経済学賞を受賞しています。

CAPMが正しいとするならば"株式市場そのものを保有することが最も効率の良いポートフォリオである"という結論に至るのですが、これがなかなか強力で60年近く前に生み出されたのに未だにこれを打ち破る理論は登場していません。

なぜ市場そのものを保有することが最も効率が良いのかですが、

上場企業全体の収益=株式を保有している全ての投資家の利益の総和となるので株式市場をまるごと保有するポートフォリオなら上場企業全体の収益と同じ比率の利益を得ることができます。

その結果、パッシブな投資家が得た利益の残りをアクティブな投資家が分け合う形になるのです。

アクティブな投資家たちはパッシブな投資家よりも特定の銘柄を選好するなど追加的なリスクを引き受けているにも関わらずアクティブな投資家全体でゼロサムゲーム…というか売買や信託報酬等の手数料を払うマイナスサムゲームを行っていることになり市場平均を上回ることができなくなります。

このアクティブな投資家全体ではインデックス投資家に勝てないと言うのはまさにその通りなのですが、個人にしろ機関にしろそれなりに勝ち続ける投資家は存在します。

ただ、勝ち続ける投資家がいれば勝ち組が得た利益分だけ負ける投資家もいないと成り立たないのがアクティブ運用の世界です。

アクティブな投資家がいることで株価はそれなりに正しく値付けされるのですが、基本的に人間は本能のままにトレードをすれば負けるようにできているので最終的にはほとんどの人が負けてしまうという悲惨なことが起こってしまうのです。

同じ市場にインデックス投資家とアクティブな投資家がいるためどちらも同じ土俵で戦っているように見えますが実は全く違うゲームをしていたんですね。

市場全体が成長しなくなってもアクティブな投資家なら勝てると考える人もいるかもしれませんが、市場が成長しない世界線ではアクティブな投資家たちで分け合うためのパイは非常に小さくなるため極々一部の人間以外は利益を出すことができなくなります。

あえて百戦錬磨のプロが集まるアクティブな運用で戦おうとすることを否定するつもりはありませんが、パッシブな運用(インデックス投資)を行って将来的に十分なリターンが得られると想定するのであればあえてそれ以上のリスクを背負う意味はありません。

将来的にパッシブな運用では利益が得られなくなると予想するのであればアクティブな運用云々の前に「そもそも株式投資をするべきなのか?」から考えなくてはなりません。

結局、「素人が株式の未来に期待するならインデックスファンド買っとけ」という当たり前の話になっちゃうのです。

トマ・ピケティは「21世紀の資本」で r > g という不等式を示しました。

r は資本収益率、g は経済成長率です。

ピケティは過去の膨大な資料から歴史的に資本(株式や不動産等の収益を生むもの)から得られる収益は経済成長により上昇する労働所得を上回っていたことを発見しました。

そして、その傾向は今後さらに加速していくと予想しています。

大多数のしがない労働者には絶望的な現実ですが、今は誰でも簡単に少額で世界中の大企業に投資することができる時代なので立ち回り次第では資本家の側に回ることも可能となります。

労働収入だけではお先真っ暗という人は少しだけ倹約して世界の経済成長に賭けてみるのも良いのかもしれませんね。


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